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金子俊之先生インタビュー #3 新刊についてーヤブ医者回避のバイブルー

とうきょうスカイツリー駅前内科 院長・医学博士 金子俊之先生

 

前回は、良い病院・悪い病院の見分け方についてお話を伺いしました。

今回は、金子先生の新刊についてお伺いしていきます。

なぜ、この本を書いたのか?

――それでは、新刊についてお聞かせください。先生はなぜ本書を執筆されたのでしょうか?

この本を書くことになったいちばんのキッカケは、あるリウマチ患者さんとのエピソードですね。彼女は、30代のリウマチ患者さんだったのですが、大阪から東京に転勤になったことで僕のクリニックに来院されたんですね。初めて会った時には、すでに手がパンパンな状態で、話を聞いてみると3年間もろくに治療もされないまま放っておかれているとのことでした。リウマチというのは、いまはきちんと治療すれば手術をするケースはほとんどない、ということさえ知らなかったんですよ。

彼女の主治医は、リウマチというのは痛くて変形してあたりまえ、という2030年前の考え方でした。「変形した場合は手術すればいい!」なんて、まだ先のある若い女性に平気で言うひどい医者だったわけです。

このままではいけない! 現在はこんな最新の治療法があって、こんなサービスの提供があるんだよ、ということを少しでも多くの皆さんに知ってほしくてこの本を執筆しようと思ったんです。

 

――どのような人にこの本を読んでほしいですか?

病院に一度も行かない人はいないと思いますので……すべての人に読んでほしいと思っています。とくに大人の方は、未来の子供たちを守る意味でも正しい知識を身につけてほしいです。

 

――本を出すことにあたって、同業医師からの反応はいかがでしたか?

「思い切ったことをするね!」なんて言って、応援してくれていますよ()。僕の仲間は常に医療知識をアップデートするための努力を怠らないような人たちなので、理解してくれていますね。一方で、きちんとした診療を行ってないヤブ医者はきっと僕の本に腹を立てるんじゃないかな~()

 

――それにしても、センセーショナルなタイトルですね。どんなコンセプトでこの本を書いたんですか?

ストレートに言うと、ヤブ医者を見極めてほしいから書きました。ヤブ医者のせいで、読者の皆さんが健康被害に遭わないようにと、そんな願いが込められています。一人でも多くの人がこの本を読んでヤブ医者を回避してほしいですね()

医者の「ウソ」を見破るためには

――健康診断では当たり前のようにおこなうバリウム検査ですが、先生がバリウムを飲む必要がないとおっしゃるのはなぜですか?

バリウムははっきり言って、人間ドックや健康診断に適している検査ではありません。そもそも検診とは、日本人に発症率の高い病気や死亡する可能性が高い疾患を見極めるためにおこなうものですから。

バリウム検査は被爆もしますし、時間もかかります。それに転倒するリスクだって大きい。なのに、そこまでやって得られる情報というのは非常に少なくて、バリウムで異常が見つかった場合には、胃カメラに回るだけです。だったら、はじめから胃カメラでいいじゃん!()。そういう意味でも、いまだにスクリーニング検査でバリウムを提案するような医療機関というのは、ヤブ医者率が高いと思いますよ。

――インフルエンザが流行っていると、つい検査を受けてしまいますよね? しかし、検査を受ける意味がないとおっしゃる理由は?

最近はほとんどの医療機関でインフルエンザの検査はやめた方がいいとう風潮になってきました。というのも、インフルエンザの検査キットというものがありまして、あれは、特異度が非常に高く、陽性反応が出た場合は、ほぼほぼインフルエンザで間違いありません。ただ、検出感度が非常に低いのと、キットによっては発症してから時間がたたないと、陽性だと出ないケースもあります。トータルで考えてみると、やはり適した検査とは言えないわけです。

――むしろ、キットの結果に振り回されてしまう?

ええ。だいたいの患者さんは、感度や特異度というような考え方は持っていませんからね。検査で陽性がでればインフルエンザで、陰性だった場合はインフルエンザじゃないと捉えます。

しかしこれはあくまでも診断ツールにすぎないので、100%正確には判断できないわけです。陰性だったのにじつはインフルエンザだった……なんてケースに対しての治療が遅れてしまうといった、デメリットさえあります。それに、インフルエンザ薬は体に耐性を作るモトにもなりますから、やはりインフルエンザの検査治療というのは、ちょっと考えていかなければなりませんね。

 

次回に続く

■インタビュイー■
金子俊之 先生
(かねこ としゆき)

とうきょうスカイツリー駅前内科 院長・医学博士 

​​​​​​平成281月に「とうきょうスカイツリー駅前内科」を開院。

風邪や高血圧、糖尿病などの一般内科に加えて、

専門性を活かした関節リウマチ・膠原病の治療を行う。

現在も順天堂大学医学部膠原病リウマチ内科にて非常勤助教を兼任

著者名
金子俊之