コラム

正林真之さんインタビュー #1 弁理士を目指したワケ

弁理士の仕事って、素人とはあまり接点がないと思われがちだけど……じつは私たちの日常生活の中でも知的財産などの権利は深くかかわっているといわれています。

「商標権はなぜ必要なの?」

「著作権との違いって?」

「私たちが将来、貧乏にならないためにはどうすればいいの?」

知財を通じてそれを知ってもらうために、今回は正林国際特許商標事務所代表である正林先生に密着してみました!

 

初回は、正林先生の経歴や弁理士というお仕事について迫ります。

権利ビジネスとは?

――私の周りでもすごく器用だったり、才能があるのになぜ貧乏なの?みたいな人はけっこういるんですよ。今日は先生からたくさんお話を聞いて、貧乏脱却のヒントを得たいと思います(笑)。では、まずは正林先生のことをよく知らない読者のために、自己紹介からお願いします。

正林真之と申します。

正林国際特許商標事務所の代表者であり、弁理士の仕事を担っております。

東京駅からすぐのサピアタワーというオフィスで大体300人くらいの国際特許事務所を経営しております。

現在、公職では弁理士会の副会長を務めており、学問分野では以前は東京理科大学の大学院で客員教授もやっておりました。

引き続き東京大学では、客員研究員を務めております。

 

――先生はなぜ、弁理士の道を志したのでしょうか?

ずっと化学が好きで研究してきたのですが……最終的に大学院を中退したことで今の世界に入った感じですかね、はい。

 

――中退したことで弁理士への道が逆に開けた……みたいな?

正直、上の人と合わなかったんですよ。

今でいうアカデミックハラスメントというもので、よくいじめられましたね。

薬品をかけられたり、肌に毒を落とされたりとかね、あと素っ裸にさせられて水をかけられたりとか……

 

――それじゃあ、みんな中退したくなりますよ()。どうやって這い上がったんですか?

大学院を辞めてどこかに就職しなきゃというときに、なかなかなか仕事が見つからなかっんですね。

当時は中退者にはとくに厳しい時代だったから、もう資格を取るしかないと。

公認会計士、不動産鑑定士、弁理士税理士といった食っていける5大資格の中で、僕の好きな分野を生かせるものは弁理士だなって思ったんです。

僕の場合、大学院中退という逆境があったからこそ、弁理士になるために必死に頑張れたと思いますし、この世界で例外になれたのだと信じております。

 

――“例外って個性的なキャリアにもなりますしね。

もしも中退していなかったら、そのまま研究者になって、なにも疑わない人生を送っていたと思います。

今思うとあの時の中退は、もともとダメな部分は早く捨てて、より自分に向いたものを見つけるためのプロセスだったといいますか……そんなふうに考えるようになってから、現在の弁理士事務所の設立に至りました、はい。

 

――弁理士の仕事って、どんな職業ですか?

弁理士というと、特許の専門家なんて言われていますよね。でも、僕が思う弁理士とは、

未来を創る仕事」だと思っています。価値づくりの総合企業とでもいうんですかね。

 

――いい言葉ですね!ちなみに醍醐味はなんでしょうか?

企業の欠点をサポートしてあげて、新しいチャレンジの手助けができる点ですかね。

税理士さんは、税金のことだけやるのが仕事ですし、弁護士さんはなるべくリスクを減らしてオペレーションするのが仕事だと思うので……そういう意味でも企業の新しい

チャレンジをトータルで手助けできるのは、やはり弁理士だけなんじゃないかな。

 

――弁理士をやっていて、大変だと思うのはどんな時ですか?

世の中にはお金がなくてすごく困っている天才って結構いるわけですよ。

でも、そういう人たちは超絶頑固で自分のやり方に固執しちゃっているから、その考え方を変えてあげることがすごく難しいんですね。

結局、そういう人たちを救えなかったという悲しみだとか辛さはありますね。

 

――たしかに才能があればある人ほど、根本的な考えを変えるのは難しそう……

実力のない人たちなら、まあ仕方ないなって割り切れますよね。

でも、宝の持ち腐れになるような人たちについては、変わってくれれば改善できるのに……なんて思う時は多々あります。

 

――先生の肩書でもある「国際パテントマネタイザー」とは、どのような資格ですか?

これは、僕が勝手につくりました(笑)。

パテントとは直訳すると特許で、マネタイザーとお金に換えるという意味です。

学歴とか資格もそうだけど、何か与えられたものをお金に換金することが大切だと思っていますので。

 

――もし弁理士になっていなかったら、どんな職業に就いていたと思いますか?

きっと、何かしらの自営業はやっていたと思います。さっきの中退の話じゃないですけど、

本来の自分は研究者になるのがスタンダードな道だったのかもしれない。

でも、僕は仮にもし研究者になったとしても、自分で会社を経営しながら研究をしていたと思います。

たぶん、なんらかのアドバイザーになっていたんじゃないかな~

 

次回に続く

■インタビュイー■
正林 真之  先生
(しょうばやし まさゆき)

正林国際特許商標事務所 代表・弁理士

1998年に正林国際特許商標事務所を設立。

弁理士・弁護士、技術士、総務、管理部門などの集結によって

知的財産に関するワンストップのコンサルティングを提供。

現在は弁理士会の副会長と東京大学での客員研究員を兼任。

 

著書:「貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ